キャリア

「在り方」を考える時のこと。

イラストを活用した小学生向けキャリア教育

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小学生の頃の将来の夢、覚えていますか?

私は小学生の頃から、ちょっとした線画のイラストを描くことが好きでした。
絵を描く仕事=漫画家、と思いついたところで、
物語を創作することが苦手だった私は、漫画家はなれそうにない・・・と、

すぐに将来の夢から除外してしまいます。
同級生のお父さんが画家であることを知り、
絵を描く仕事=画家、も想像してみましたが、
その同級生の描く繊細なタッチの水彩画に、私の好きな絵の方向性と何か違う・・・と感じて、これまた除外。
今思うと、本当に視野が狭いというか、諦めが早いというか、そこから何も調べようとしないというか・・・。


将来の夢は置き去りにされたまま時は過ぎて、高校2年の終わり、進路を考える時になって始めて「将来」とか自分の「適性」と向き合うことになるのでした。
自分の部屋欲しさあまりに住宅の折り込みチラシを見ては、その間取りで憧れの暮らしを空想して楽しんでいた私。大学は建築の道に進み、特にデッサンやパースの授業は大好きだったから、「絵を描く」こととはつながっていたのかもしれません。今は子育てとイラストを結びつけてスタンプ作りを始めた「fatetto」があります。

先日、イラストを教育に活かした授業があることを知り、
ある小学校の6年生の授業で行われたキャリア教育を見学する機会をいただきました。

1時間目から4時間目まで、午前中めいいっぱい使っての授業ですが、子どもたちの集中力は途切れることなく、常に真剣そのものです。
イラストの描き方を学びながら、色を加えながら、ワークシートを使って自己表現をしていく中で、将来の自分をイメージして、その実現のためにこれからどう生きるのかを考える。


とにかく自分と向き合い、自分に問いかけ、その答えを言葉にしていく・・・


大人でもすぐに答えるのは難しいかな、という質問にも取り組む子どもたち。
その問いは、これからもきっと大きな力になってくれるだろうな、と感じるものでした。

事前に、自分が感動した物語(本、絵本、映画など)をピックアップするという宿題が出されていて、まずはその物語を題材に授業が進みます。ワークシートにあるいくつかの質問に答えていくと・・・。その登場人物のどんなところに、また、その物語のストーリーになぜ心打たれたのか?じっくり考え、答えることで、あることが見えてくることに気付きます。

続いて、10年後の自分をイメージし、
価値観を問い、自分がどうありたいか、それを実現するためにこれから何をしたらいいかを考える。
それも、なるべくすぐに始められるような、小さなこと、具体的なことから。

このキャリア教育の授業見学を終えての帰り道、私は改めてこれまでの自分を振り返っていました。
母からはいつも、「女性でも一人で生きていく力をつけるように」と言われていて、次の一言は「とにかく手に職をつけなさい」でした。
手に職を=資格を取る、ととらえてしまった私は、会社から資格手当が支給されることもあって、建築関連の様々な資格を取り続けました。でも会社を辞めた今、それらの資格とは全く無縁の仕事をしています。


資格とか、職業という枠組とか、知識やスキルとか、そういうものではなくて、
生きていく力とは、自分が大切にしている想いをどうやってかたちにしていくか、それによって自分がどんな人にどんなことができるか、そこから湧き出てくるエネルギーではないかと、起業して気づいた私です。
そしてそれは、これからの時代、私たちとは全く違う環境の中を生きていく子どもたちにも、きっと必要な力。

是非、多くの学校でこのキャリア教育が取り入れられますように。
きっと、子どもたちの一日一日が、もっともっと大切な一日に変わる、そんな気がします。

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