キャリア

「在り方」を考える時のこと。

背が高いコンプレックスも、思い込みを手放したら全く違う世界が広がっていく!

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この話をするとみんな、笑うか、信じないか、のどちらかなのですが…
私、30歳過ぎまで身長が伸びていました。

一人目の産休直前、会社の健康診断。
それまでコンスタントに毎年0.1〜0.3mmずつ伸びていた私。
(それは単に誤差じゃないかとみんなに言われるけど、マイナスになったことはないのです)
最後の測定は171.4cm!これが私の身長の最高記録。

女性で背が高くていいことなんて何ひとつない、と思っていた頃

小さい頃から背は高い方で、幼稚園の頃から既に背の順はいつもほぼ最後方。
小学3年生頃に女子はぐんと背が伸びるので、その頃だけ背の順がクラスの真ん中辺りになりました。その後も毎年毎年少しずつ伸びる私はやっぱり周りから「大きい」「デカイ」と言われることが多くて、それがずっとずっと嫌でした。背が高くて目立ったから、バスケ部やバレー部からの勧誘も多かったし、なるべく低く見せたくて、猫背でいることも多かったのが小中学生の頃。高校指定の制服のブラウスには私のサイズがなくて(まず袖丈が足りなくて)入学式当日から指定外の違反ブラウスでした。女性で背が高くていいことなんて何一つない、いつもそんな気持ちでした。

一瞬にして、背の高い自分を受け容れられた出来事とは

大学生1年生の時、和裁のできる祖母が浴衣を縫ってくれることになりました。
一反から一着を作る浴衣。一反の長さは決まっているから、浴衣のできるサイズにも限界があります。背が高いとおはしょりが出ないから着こなしが格好悪い、と母にもさんざんけなされて…。背が高いって本当損だな、とか思いながら浴衣生地を探しに行った時のことです。山吹色のユリの柄が目に留まって、直感で、「コレだ!」と生地を眺めていたら、店員さんがそばにきて声をかけてくれました。

「大きな絵柄は背の高い方しか着こなせないですからね、お客様のような方には特におすすめですよ」

この瞬間です。

「背が高い」からこそできる。

そう思えたこの時、

私の背が高いことに対する「劣等感」は、一瞬にして消え去ったのです。

女なのに背が高い、デカイ、
と言われ続けて、ずっと嫌な気持ちを抱えていましたが、それは私の「背が高いのは悪いこと、変なこと」という思い込みでしかなかったのです。(そこには、女は(男よりも)背が低くあるべきだ、みたいな別の問題も含んでいるのですが。それはまた別の機会に書くとして。)

背が高いからこそのメリットもあるのです

なんだ!
背が高いからこそ「いいこと」もあるんじゃないか!

そう思えた時の、気持ちが楽になったことといったら、もう。
事実はひとつであって、それに対して光の当て方(どう捉えるか)次第なんですね。
良いとか悪いとかの一側面だけではなくて、実はいろんな見方ができる。光が当たるところがあるから影の部分もある。どちらも同じ自分、です。このことに気付いてからは、デカイと言われても嫌な気持ちになることもなくなりました。むしろ背の高い自分を好きになって、チャレンジしてみようという気持ちになって、ファッションを楽しめるように…どんどん変わっていきました。いいなと思ったらメンズサイズだって着ちゃうし、パンツの丈詰めをしないで済むのですぐに買って履ける便利さとか、パンツの裾のデザインも活かせるとか、実は背が高いことのファッションのメリットはたくさんあります。

実家でも職場でも、棚の上の物を取るときとか、ちょっとしたお役に立てて喜んでもらえます。

自己紹介でのインパクトも強し。目立つのですぐに覚えてもらえます。それをきっかけに、いろいろ話が広がったりもします。

ちょっとした発想の転換ができれば、きっと楽しいと思えることも増える!

今までマイナスだと感じていたことも、実はそれがあったおかげで自分が成長できた。そこに気付くと、目の前の世界がどんどん開けていくように思います。

昨夏の終わり100歳目前で他界した祖母。大きな私のための精一杯の工夫…だと思うのですが、浴衣の縫い代ギリギリの手縫いの縫い目ひとつひとつを見ては、この物事の捉え方の転換を教えてくれてありがとう、と祖母と浴衣と、そしてあの時の店員さんに感謝しています。

コロナが落ち着いて、夏祭りや花火大会の賑わいが戻ってきたら、またこの浴衣を着て出かけたいな、と思います。

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