子育て

子どもたちと関わりながら学んだこと。

意外と知らない、カナブンとコガネムシの違い

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窓の外に聞こえるセミの鳴く声も徐々に秋の虫の声に変わってきて、少しずつ季節の移り変わりを感じるようになりました。先日、ベランダのベリーの葉に緑色のちっちゃな昆虫がとまっていました。さて、これはコガネムシ?カナブン?

みなさんはコガネムシとカナブン、何が違うかご存知ですか?


色で区別するのかと思っていたら、(私は、カナブンが緑色でコガネムシが木っぽい色だと思っていました…)調べてみたところ、それは大間違いで。

コガネムシは北海道から九州にかけて生息しています。強い金属光沢があり、全体的にころんとした丸っこい形をしていて、頭も丸い形をしています。羽の付け根の三角形の部分も、丸みをおびているのがコガネムシです。
幼虫の頃は土の中で根を食べ、成虫になるとサクラ・クヌギなど多くの広葉樹の葉を食べます。
ベリーの葉にいたのがコガネムシだと分かったところで、子どもといろんな種類の葉をとってきては、食べた、食べなかった、と一喜一憂。そしてやはり、一番よく食べるのは、見つけたところのベリーの葉でした。そう、コガネムシは人間が大事にしている植物が好物らしく、人間にとっては害虫なのです。
コガネムシは我が家のベランダで初めて実をつけようとしているベリーの葉を食べ尽くしてしまいそうなので!早々に虫かごから開放されていきました…

そして偶然にもその1週間後くらいに、またまた緑色のちっちゃな昆虫が玄関にやってきました。

コガネムシよりはひとまわり体長も大きくて、身体の形は平べったい感じ、頭は四角い形をしています。羽の付け根の三角形の部分が2等辺三角形で、コガネムシと比べるとちょっと長めです。そう、今度はカナブンでした。本州、四国、九州に生息、色は銅色や暗緑色、藍色など色彩に変化があり、幼虫の頃は朽木を食べて育ち、成虫になるとクヌギ類の樹液に集まるのがカナブンです。

同じ甲虫のコガネムシ科ですが、全然違うんですね。でも、いろいろ調べたおかげで一目でコガネムシとカナブンを見分けられるようになり、ちょっと楽しくなりました。
パソコンに向かっていると、時々そばに置いてある虫かごの中でカサコソカサコソ動く音が聞こえてきます。私も昆虫は苦手な方だけど、鳴かない彼らは何だか健気な感じもして…見ているとちっちゃな生き物もかわいいかも、と思ったりもします。

カナブンには水あめや昆虫ゼリーをあげてお世話したのですが、この時期なのでもうすでに弱っていたのかな、3日目にはお墓に埋めてあげることになりました。

さて、次女のクラスでも昆虫ブームがおきていました。夏休み明けにお友達がもってきてくれた数匹のクワガタを虫かごに一匹ずつ分けて入れ、有志数名の各グループで毎日順番に家に持ち帰って面倒をみることになっていました。ある日、当番になった次女も一番小さなオスのクワガタを連れて帰ってきました。
お友達に教わった通り、ベランダで一晩明かすことになったクワガタ君。夜寝る前に見た時は、昆虫ゼリーも食べた後で、おがくずの上をゴソゴソ動き回っていたのですが…

翌朝、学校へ持っていこうと虫かごをのぞくと、どうも様子がおかしいのです。
虫かごをゆすっても動かない。
夜行性だから?
いや、アゴが閉じているようにも見える…

触ってみても動かない。
これは…

ランドセルを背負ったまま虫かごを抱え、次女も悲しそうな顔で動かなくなってしまいました…

クワガタが死んでしまった悲しさと、自分が死なせてしまったのではないか、お友達に責められるのではないか、という思いがあふれて、大粒の涙が次から次へとこぼれ、なかなか靴を履いて玄関を出ることができません。でも、ここは彼女ががんばって自分で乗り越えないと、なんですよね。

生あるものはいつか必ず死を迎えるということ。
悲しいけれど、死んでしまったという事実を受け容れること。
自分の力ではどうにもならない、起きてしまった変えられない事実を受け止めること。

そして、他人の大事なものを預かるということ、
まして、命のあるものだったらなおさら、何かあった時にその責任は大きくのしかかってきます。
誰かの大事なものを借りたり預かったり、あるいは自分の大事なものを人に貸す時、壊れたり、なくなってしまったりするリスクを請け負うこと。だからこそ、軽い気持ちで大事なものを貸し借りしないこと。

次女は普段からまわりに「すごい」と褒めてもらえることが多くて、優等生タイプ。長女の失敗を見て密かに学ぶことで本人は失敗する経験も少なかったから、自分がこんな事態になることを、そして、いつもの「すごい私」じゃなくなってしまうかもしれないことを、もしかしたら恐れていた部分もあったのかもしれません。
だから余計に、お友達に責められてしまうかもしれないことに不安を感じたのかな…


隠したりごまかしたりしないで誠実に、正直に、自分から先にみんなにクワガタのことを伝えようね、と話しました。クワガタが死んでしまった理由は誰にも分からないのだから、思い込みで自分を責めずに、事実を伝えよう、と。学校まで一緒に歩きながら、無口だったけど少しずつ彼女も気持ちを整理したのでしょうか、教室のある3階を見上げて正門をくぐってからは、後ろを振り返ることなく昇降口へ入って行きました。

学校から帰ってきた時にはもういつもの笑顔です。
泣いてしまったもののクラスのみんなには状況を話せたようで、幸いにも彼女を責めるお友達は一人もいなくて、ウイルスのせいじゃない?と救いの一言をくれるお友達もいてくれたらしく、自分でちゃんと気持ちを立て直せた模様。またひとつ成長した次女を頼もしく感じました。

私も娘もいろいろ学んだ、この夏の小さな昆虫たちとの出来事でした。

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