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マンションの縦長2LDKにYチェアを。ダイニングテーブルのサイズは?

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私は、大学では住居を中心とした建築の勉強をしていました。家具の授業の中では特に「イス」の講義が面白くて、「Yチェア」を初めて知ったのもその時でした。それ以来、Yチェアの優しいフォルムとあたたかな雰囲気に惹かれて、Yチェアは私の将来の理想の暮らしになくてはならないあこがれのもの、になりました。

Yチェアのデザイナー、ハンス J.ウェグナー

デンマークを代表するデザイナーであり、500脚以上もの椅子をデザインした椅子の巨匠、ハンス J.ウェグナー。17歳で家具職人の資格を取得し、29歳で自身のデザイン事務所を開設、35歳の時にカール・ハンセン&サンに初めて椅子をデザインしています。その椅子こそが、Yチェアの愛称で親しまれているCH24。家具職人だからこそできるシンプルな美と機能性を追求したデザインは、発表とともに大きな反響を呼びました。2017年以降、カール・ハンセン&サンからは、1914年4月2日に生まれたハンス J.ウェグナーの誕生日を祝って、毎年スペシャルバージョンのYチェア(バースデー限定モデル)が誕生しています。

ずっと使い続けたくなる、Yチェアの魅力

1950年からずっと生産され続けているYチェア。背中を支える支柱がYの字であることから、「Yチェア」と呼ばれています。その一番の魅力は、やはり360°どこから眺めても美しいフォルムにあります。正面だけでなく、上からも、後ろからも、横からも。背もたれからアームにかかる曲線、微妙に太さを変えながら足元へ続く脚のディテール、温もりのある丸みを帯びたフォルム、特徴的なペーパーコードの座面。飽きずにずっと見ていられます。

そして、座り心地も魅力のひとつです。

座った瞬間のペーパーコードがぎゅっと鳴る感じ、ひじ掛けに手を置いた感じ、背もたれの丸みなど。座面が広いので、ちょっと斜めに座ってくつろいだり。やっぱりいいですよ、Yチェア。様々な感触を、日々味わっています。

さらに、年月の経過とともに木肌の表情が味わい深く変化していくので、使い込むほどに愛着の湧く一脚です。生涯使い続けることができるのも大きな魅力ですね。

ソープ仕上げとオイル仕上げ、どちらを選ぶ?

ビーチ材とオーク材のYチェアは、ソープ仕上げとオイル仕上げの2種類から選べます。お値段もお手入れ方法も違うので、悩みますよね。私も悩みました。ソープ仕上げのYチェアを長年使っている方から、ソープ仕上げは汚れが取れにくいのでオイル仕上げにすればよかった…と聞いて、わが家はオイル仕上げを選びました。普段見かける家具のほとんどはウレタン仕上げですが、木の自然な風合いを楽しめるYチェアのオイル仕上げもなかなか素敵です。水分や汚れもはじいてくれるので、安心して使えます。

ダイニングテーブルのサイズと、通路スペースはどのくらい?

Yチェアは、その形状からもお分かりいただけるように、ひじ掛けがサイドまであるのでダイニングテーブルの下にしまい込むことができません。さらに幅も広いため、設置にはかなりのスペースをとります。わが家もそうですが、近年増えている縦長の2LDKにどう納めるかを私もいろいろ考えて(その時間や過程も楽しいんですけどね!)案を練って、この度Yチェアを迎え入れることができました。

その解決策は、ソファを置かずに、大きなダイニングテーブルを置くこと。生地を裁ったりミシンを使ったり、たくさんの資料を一度に広げたり、とにかく作業スペースが欲しかったのと、人が集まる家にしたい!と思ったので、大きなテーブルを選びました。アトリエみたいな大きなダイニングテーブルに、Yチェアをゆったり置いています。でも全てがYチェアだとしつこいので…もちろん、縦長なLDKということもありますが、壁際にはベンチを設置することにしました。ソファ代わりにもなるベンチの片側は、背もたれがL字になっているのでくつろぐこともできます。

ダイニングテーブルの上面の高さは72cm、これが座ってみたベストサイズでした。Yチェアは、日本サイズ(座面高さ43cm)と、海外サイズ(座面高さ45cm)の2種類があり、このたった2cmの差でも、座り心地と空間のイメージは大きく変わります。私はYチェアは45cmを選択して、ダイニングテーブルのエッジは船底仕上げで軽さを出し、ひじ掛けが干渉しないようにしました。

Yチェアの幅は55cmあり、並べる時には椅子間に15cm以上のスペースは欲しいところです。テーブルの脚位置によっては椅子と干渉してしまうので、ダイニングテーブルの脚間の寸法も気にしながら検討してください。

Yチェアの背面から壁までの空きスペースは、椅子を引いて座ったり、人が通るためにも60cm程度は欲しいところです。テーブルの縁から壁まで約110cmくらいでしょうか。

最近多い、縦長2LDKの間取りのマンション、わが家もまさにそれで、短辺方向の間口は約230cm。ベンチ奥行き(50cm)、テーブル奥行き(85cm)、テーブルの縁から壁までが約95cm。Yチェアの背面から壁までの空きスペースは55cm弱です。でも、隣の洋室のドアは普段ほとんどオープンなので、実際はYチェア背面のスペースはかなりとれています。洗濯物や布団を干しにベランダへ出るときは、ベランダ側の角の建具壁がわずかに干渉しますが、通るのに支障はないのでOK!テーブルの奥行きを通常の90cmから5cm詰めたこと、ベンチにしたことが功を奏しました。

Yチェアがあってもルンバは使える?

特に共働き世帯には気になるところですよね。一応、Yチェアの天地を返してテーブルに掛けてのせることは物理的にはできます。家具屋さんからは、「それはちょっと…」と止められましたけど。では、ひじ掛けの部分をテーブルに引っかけて、床から浮かすことはできるのか?というと、ひじ掛けの手前10cm程度をテーブルに掛けることはできますが、床とのすき間はわずか数cmです。とてもルンバは通りません。

Yチェアは床置きのまま、一番狭い背面側の脚間37cmを通り抜けられるお掃除ロボット(ルンバは幅約34cmなので通過可能!)があれば、使えますかね。椅子の間をくぐり抜けるので相当複雑な動きになりそうです…

ちなみに私はYチェアにルンバがぶつかるのが耐え難く、ルンバのキャスターで床も結構傷つくので、これを機にルンバをやめました。代わりに、軽くて手軽なパナソニックのコードレスクリーナーに切り替えて、自分でマメに掃除することにしています。

パナソニック掃除機 セパレート型コードレススティッククリーナー ホワイト

北欧家具の不朽の名作「Yチェア」は、不思議と日本の和空間とも馴染みます。気になる方は、諦めずにいつかお家に迎え入れていただけたらなぁ、と思います。大好きなものに囲まれて暮らすと、日々の生活が、心が、和みます。

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